トラップ教室
響の手を借りながらどうにか立ち上がり、前方のビニール全体が見える場所まで移動した。


「あ……っ!」


驚きのあまり声が出た。


血に濡れたビニールには文字が浮かび上がってきているのだ。


元々ビニールにはノリかなにか、粘着質なもので文字が書かれていたのだろう。


そこに優香の血が飛びちり、付着することで浮かび上がってきたのだ。


優香があの場所で、銃に打たれて死ぬことには大きな意味があったのだと気がついた。


「なんて書いてある?」


響に質問され、あたしはひと文字ずつ声に出して読み上げていった。


「さっきの……答え。プラス……誕生日」


自分で読み上げた後、あたしは首をかしげた。


さっきの答えというのはもちろん黒板の数式の答え、613で間違いないと思う。


だけどその後の誕生日というのがよくわからない。


「誕生日って、一体誰のだ?」


秀も眉間にシワを寄せて考え込んでいる。

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