トラップ教室
勉強もスポーツも響には劣るけれど、ものすごく苦手というわけでもないし。


バスケ部はダメだったけれど、きっと他の部活ならうまく行っていただろう。


そう、俺は選択を間違えただけなんだ。


「ブツブツ言ってどうしたんだよ」


気がつけば手にゴミ袋と軍手を持たされて、俺は突っ立っていた。


周囲を見回してみれば、みんな自分の持ち場でゴミ拾いを始めている。


さっきの女子たちの姿もなくなっていた。


「いいよなぁお前は」


つい、口に出てしまった。


「は?」


「女子にモテモテで」


俺の言葉に響は首を傾げている。


もしかして無自覚なのか?


教えてやろうかと思ったが、悔しいからやめた。


「俺もお前みたいになれたらなぁ」


「どうして?」
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