トラップ教室
「一旦廊下へ出て、後ろのドアから入りなおそう」


凌の提案にあたしは頷いた。


響を助けるためにはそれが一番いい。


4人で肩を寄せ合うようにして入ってきた前方のドアへ向かう。


そして光平がドアに手をかけたとき……その顔が歪んだ。


「嘘だろ……」


光平の額に浮かんでいた汗が、頬を伝って流れおちていく。


「どうしたの?」


「ドアが開かなくなってる!」


光平がどれだけ力を込めても、ドアはびくともしない。


「冗談だろ!?」


凌も一緒になってドアを開けようとするが、やはり反応はなかった。


あたしと早紀も必死になってドアにすがりつく。


でも、結果は同じだった。


4人がかりでドアを開けようとしてもびくともしないのだ。


こんなのありえない。


背中にすーっと冷たい汗が流れていく。


非現実的な出来事に頭は全くついていかない。


あぁ、そうか。


あたしはまだ眠っているんだ。


早く目覚めたいなぁ。
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