トラップ教室
「女子生徒の家に押し掛けたんだって」


「え!?」


つい、大きな声を出してしまってマリに「しーっ!」と人差し指を立てられてしまった。


「押しかけたって、どういうこと?」


美久も身を乗り出している。


「気になる女子生徒の後を付けて行って、家まで入り込んだんだって!」


「嘘でしょ。そんなことする!?」


あたしと美久は目を見かわせる。


「あたしの人から聞いただけだからわからないけど、そういう噂があるんだよ」


マリは自信満々にそう言って大きく息を吐きだした。


まるで人仕事終えた後のような満足感が醸し出されている。


「それってヤバイじゃん。イジメ放棄に、女子生徒につけ回しって」


美久の言葉にあたしは何度も頷いたのだった。
< 244 / 273 >

この作品をシェア

pagetop