トラップ教室
☆☆☆
突然水嵩が少なくなり、あたしは慌てた。
水がどんどん教室の外へと流れ出し足元をすくわれる。
「机につかまれ!」
響の声が聞こえて初めて、床にしっかりと固定されている机があることに気がついた。
あたしは必死に手を伸ばす。
水から顔が浮き沈みして、ときどきむせながら。
指先が机の足に触れて、あたしはそれを強く握りしめた。
水はゴオオオオッと音を立て、まるで濁流のように排出されている。
いつの間にか教室のドアが開かれ、そして放出されていた水は止まっていた。
「夏海、大丈夫か?」
水の流れが穏やかになったとき、響が何かを握り締めて近づいてきた。
「どうにか……」
あたしは大きく深呼吸をして答える。
全身ずぶぬれで、水を飲んで胸が苦しい。
それでも呼吸ができている。
あたしも響も生きている。
それだけで胸がいっぱいになっていく。
突然水嵩が少なくなり、あたしは慌てた。
水がどんどん教室の外へと流れ出し足元をすくわれる。
「机につかまれ!」
響の声が聞こえて初めて、床にしっかりと固定されている机があることに気がついた。
あたしは必死に手を伸ばす。
水から顔が浮き沈みして、ときどきむせながら。
指先が机の足に触れて、あたしはそれを強く握りしめた。
水はゴオオオオッと音を立て、まるで濁流のように排出されている。
いつの間にか教室のドアが開かれ、そして放出されていた水は止まっていた。
「夏海、大丈夫か?」
水の流れが穏やかになったとき、響が何かを握り締めて近づいてきた。
「どうにか……」
あたしは大きく深呼吸をして答える。
全身ずぶぬれで、水を飲んで胸が苦しい。
それでも呼吸ができている。
あたしも響も生きている。
それだけで胸がいっぱいになっていく。