トラップ教室
どうにか教室から出てきたあたしたちは、真っすぐに1年生用の昇降口へ向かった。


A組には早紀、凌、光平の死体。


B組には雄大、マリ、美久の死体。


C組にはミチル、太一、大祐の死体。


そしてD組には優香と秀の死体。


それらを残して歩く。


あたしたちは偶然生き延びただけだ。


いつ死んでもおかしくなかった。


そう心に刻みこんで、昇降口の鍵を差し込んだ。


ガチャッ。


そこは簡単に開いた。


けれど躊躇して、足を踏み出すことができない。


ここを出た瞬間またボウガンの矢が飛んでくるのではないか。


そんな恐怖心が湧き上がってきて足がすくむ。
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