トラップ教室
☆☆☆

あたしと響の2人はD組と一緒に授業を受けるようになっていた。


不思議なことに、あれだけ壮絶なことが起こった翌日には学校は何事もなかったかのように、いつもの景色を広げていた。


ただ変わったことと言えば……。


「E組の12名が昨日の夜謎の突然死を遂げました」


体育館のステージの上で、校長が重々しく伝えたことを思い出す。


そう、なぜかわからないけれど、クラスメートたちは眠っている間に心臓麻痺を起して死んでいたのだ。


あたしと響がどれだけ説明したって、誰も信じてくれないのはわかっていた。


あたし自身、学校から出た直後意識を失い、気がつくと自宅のベッドの上だったのだ。


もちろん制服なんて着ていないし、水に濡れてもいなかった。
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