トラップ教室
☆☆☆

佐竹の死体が発見されてから、3日が経過していた。


「不思議なことがあったよね」


響と一緒に帰路を歩きながらあたしは呟く。


「そうだな」


みんな夢だったんだろうかと、時々思う。


だけどあれは現実だ。


みんなあたしの目の前で死んでいった。


その時の恐怖も不安も、今でもちゃんと思い出すことができるんだから。


あの用水路の前まで来て、あたしたちは同時に足を止めた。


今日は早紀が育てていた花を持って来たのだ。


2人して用水路の前に座り、花を添える。


先生、ごめんなさい。


あたしはなにもできなかった。


みんなを止める所か、ターゲットになるのが嫌で先生のことをイジメてた。


手を合わせて堅命に祈りをささげる。


今のあたしにはこんなことくらいしかできない。


先生は間違いなくE組の生徒に殺されたんだ。
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