トラップ教室
あたしと響は直接手を下してはいない。


だけど、それだけのことだ。


共犯者であることに間違いはない。


「そろそろ行こう」


響が立ちあがったので、あたしもそれに続いて立ち上がった。


でも、すぐに違和感に気がついた。


さっきまで晴れていた空が急に曇り始めたのだ。


「早く帰った方がよさそうだな」


「うん」


頷く間に雨が降り出す。


それは一瞬で、あの日と同じような大嵐になった。


用水路は茶色く濁り、濁流として流れ始める。
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