トラップ教室
「どうして入っているってわかるの?」


光平は掃除道具入れを開けていないようだ。


「隙間からなにかが見える」


そう言われて近づいてみると、目の高さにあるロッカーの隙間から、確かになにかが見えている。


「もしかして、鍵に関係あるのかな」


そう呟いた時だった、光平があたしの体を押しのけてロッカーに手をかけた。


ロッカーの戸を開ける瞬間、思わず「あっ」と、声を上げてしまう。


なにか嫌な予感があった。


今まで教室内を調べてもなんの警戒もしてこなかったけれど、ここはなんだか……。


最後まで考える暇もなかった。


ギィ……と嫌な音を立てて戸が開いていく。


「頼む! 早く助けてくれ!」


響の悲痛な叫びが気を急かしていく。


「わかってる!」


光平が怒鳴るように返事をしてロッカーの戸を開き切る。


「頼む! 早く助けてくれ!」


「頼む! 早く助けてくれ!」


「頼む! 早く助けてくれ!」


え……。
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