トラップ教室
おかしい。


そう感じて響の入っている布袋に視線を移した次の瞬間だった。


ドスンッ! と鈍い音が聞こえてきた。


ハッとして視線を光平へ移動させる。


光平の頭には梓の時と同じボウガンの矢が突き刺さっていたのだ。


矢はロッカーの中から発射されたようで、真っすぐに額を貫いていた。


あたしは言葉も失って後ずさりをする。


あ……あぁ……。


「頼む! 早く助けてくれ!」


「頼む! 早く助けてくれ!」


「頼む! 早く助けてくれ!」


それは確かに響の声だった。


それが連続して同じセリフを繰り返している。


まるで、キズついたCDみたいに……。


光平の体がグラリとかしいだ。


後方へ向けてそのままどっと崩れ落ちる。


「イヤアアア!!」


ようやっと悲鳴が上がった。


その場に尻もちをつき、ガタガタと体が震える。
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