トラップ教室
光平の見開かれた目はジッとあたしを見つめている。


でも、もう動かない。


直立状態からそのまま倒れ込んだ光平は、まるで陸に打ち上げられた魚のようだった。


「嫌! 誰か助けて!」


あたしは悲鳴を上げて助けを呼ぶ。


他の、B組やC組にいるはずの仲間を呼ぶ。


しかし誰も来てくれない。


誰の声も聞こえてこない。


這いずって入口へ向かいドアに手をかける。


それでもやっぱりそこは完全に施錠だれていてビクともしない。
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