トラップ教室
途中からマリは机や椅子をなぎ倒して走っていた。


床に倒れた机や椅子がガンッ! ガタンッ! と激しく音を上げる。


それも気にせずマリはあっという間にロッカーの前に到着していた。


「おい、マリ!」


嫌な予感がしてすぐに追いかけた。


しかしその時にはすでにマリはロッカーに手をかけていたのだ。


「ああああああ!」


叫び声を上げながら思いっきりロッカーの戸を開く。


俺は咄嗟に足を止めていた。


これ以上近づいてはいけないと、本能が叫んでいた。


俺はその場で立ち止まり、そして見ていることしかできなかったのだ。


マリがロッカーを開いた直後、天井からオノが落下してくるのを。
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