リアル彼氏
☆☆☆

2度目の放課後デートは1度目よりも緊張せずに済んだ。


昨日と同じ公園のベンチに座り、子供たちが遊具で遊ぶ姿を眺める。


こうしてのんびりしていると、あたしもいつか子供を産むのかなぁなんて、遠い未来の創造をしてしまう。


だから一回目は聞き逃してしまった。


「え、なに?」


貴也がなにかを言ったということは理解できたので、あたしは聞き返した。


「俺と付き合ってくれない?」


見ると貴也は耳まで真っ赤にしてそう言ったのだ。


一瞬時間が止まったかと思った。


貴也の言葉が信じられなくて、呼吸すらできない。
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