リアル彼氏
☆☆☆

昼休憩時間になり、あたしは教室内を見回した。


マリナを探そうと思ったのだけれど、休憩に入ってすぐにどこかへ行ってしまったみたいだ。


あんなことをされているのだから逃げたくなるのも当然か……。


少しでもマリナと話しがしたくてスマホを取り出す。


メッセージを残しておけば、きっと見てくれるはずだ。


「今日も一緒に食べようよ!」


メッセージを作ろうとした時そう声をかけられて顔をあげた。


立っていたのは安藤さんだ。


昨日一緒にお昼を食べたのがよかったのか、すっかりなつかれてしまった。


でも、クラスメートと仲良くするのは別に悪くない。


「うん。マリナにメッセージするから、ちょっと待ってね」


そう言うと安堵さんは顔をしかめた。


「どうして?」


「え?」


質問の意味が理解できなくて、あたしは首をかしげる。
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