リアル彼氏
☆☆☆

あたしには本物の彼氏ができて、新しい友達もできた。


彼氏は昔から好きだった人で、ようやく気持ちが通じたのだ。


そして友達も、自分の自慢ばかりをするような子じゃない。


ちゃんとこちらの話も聞いてくれて、一緒にいて気付かれしない子だ。


それに反してマリナは彼氏も友達も失った。


その時期が偶然重なっただけ。


ただそれだけ……。


あたしは自分の部屋で大きくため息を吐きだした。


さっきから宿題をしているのだけれど、どうしても集中できない。


頭からゴミをぶちまけられていたマリナの顔が浮かんできて、消えてくれないのだ。


「マリナのことなんて知らない。あたしには関係ない」


口に出してそう言ってみても、どうしても関係ないと思いきることができない自分がいる。


だからと言って、今の自分にできることなんてなにもなかった。


イジメを止めに入る勇気もないし、代わりにイジメられるなんてもっと嫌だ。
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