リアル彼氏
☆☆☆

勉強を始めてから1時間が経過していた。


苦手な数学の宿題はあらかた片付いて、ペンを持ったまま両手を突き上げて大きく伸びをする。


固まった体がグンッと延びていく気がする。


「あと1問で終わり!」


自分を激励して再び宿題へ視線を向けた時だった。


ベッドの上に投げ出していたピンク色のスマホが震えた。


振り向くと緑のランプが点滅している。


今のはメッセージが届いた鳴り方だった。


マリナかもしれない。


そう思うと少しだけ気が重たくなる。


「後でいいや」


そう呟き、あたしは宿題へ視線を戻したのだった。
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