リアル彼氏
☆☆☆

翌日、あたしは重たいため息を共に学校に到着した。


今日も貴也は普通に声をかけてくるだろう。


その時、あたしはどう返事をするべきだろうか?


なにも知らないふりをしようか。


でも、そんなことできるのか……。


考えが全くまとまらないまま、教室に到着してしまった。


入口の前で一旦足をとめて、大きくため息を吐き出す。


こんなにため息ばかり吐いていたら、幸せが逃げて行ってしまいそうだ。


どうにか自分の気持ちを奮い立たせてドアに手をかける。


その時、不意に向こう側からドアが開かれた。


突然のことに驚いて後ずさる。


「美弥、おはよう」


ドアを開けたのは貴也だった。


あたしは咄嗟に視線をそらせた。


「お、おはよう」


声も、いつもよりかなり小さくなってしまう。


貴也の笑顔と藍の笑顔がかぶさって見える。
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