リアル彼氏
その人は1年生のころ、あたしの恋を応援してくれていた。


頑張ってデートに誘うことができたのも、1回断られた後、カップケーキをプレゼントできたのも、その子がいたからだった。


あたしはジッと貴也を見つめる。


貴也はあたしから視線をそらせた。


「もしかしてマリナ?」


聞くと同時に貴也の肩がビクリと震えた。


笑顔がスッと消えていき、青ざめていく。


それだけで十分肯定していることになった。


あたしは叫び出したいのをグッと押し込めた。


やっぱり、そうだったんだ……!


マリナと貴也は付き合っていた。


それも、あたしが貴也を好きになる前から。


それなのにマリナはあたしの背中を押していたのだ。


貴也とともに、笑いものにするために!!
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