リアル彼氏
☆☆☆

「話って何?」


あたしはマリナを空き教室へつれてきていた。


あのまま教室で冷静な会話ができるとも思えなかったからだ。


「今度は誰と付き合うの?」


あたしはまず嫌みをぶつけた。


マリナは一瞬目を見開いてあたしを見つめる。


「さっき弘志君に向かってどなってた、あの男子と付き合うの?」


「何を言ってるのかわからないんだけど?」


マリナは負けじと睨み返してくる。


「貴也と付き合ってたんでしょ」


興奮状態になりそうなのをどうにか押し込めて言った。


ハッと息を飲む音が聞こえてくる。


マリナは口を半分開けて唖然とした表情だ。


「あたしのことを笑ってたんだよね?」


「な、なんのこと?」


「とぼけないでよ!」


あたしは自分のスマホでゲーム画面を表示させた。


それを見た瞬間マリナが青ざめるのがわかった。
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