リアル彼氏
☆☆☆

2人でやってきたのは近くの神社だった。


小さな神社で、在住する神主もおらず、平日の昼間に人気はない。


「マリナのこと、どう思う?」


「どうって……」


弘志君は空を見上げて思案する。


「好きだから付き合ってたんだよね?」


「いや。顔がいいから」


ストレートな返事にあたしは笑った。


弘志君らしい返答だった。


「マリナ、最近イジメられてるけど、助けないの?」


「めんどくせぇ」


そうだと思った。


「その割に、今日は怒ってたんじゃない?」


「あぁ? 貴也のことか?」


あたしは頷いた。
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