リアル彼氏
☆☆☆

マリナの反応のおかげで、貴也への誤解は解けていた。


でもだからって簡単に許すことはできない。


今度は1年生の頃のことを説明してもらないといけなかった。


翌日教室へ向かうと、あたしは最初に貴也の姿を探した。


しかしまだ登校してきていないようだった。


あたしは仕方なく自分の席に座る。


「あの……」


安藤さんがおずおずと話かけてきたので、あたしは笑顔をつくった。


「あ、おはよう」


挨拶をするが、安藤さんはなにか言いたそうにソワソワしている。


「どうしたの?」


「あの、後ろの黒板、ちゃんと見た方がいいよ?」


後ろの黒板?


なんのことだろうかと思い、教室後方へ視線を向ける。


そこには隅っこに小さな文字でなにかが書かれている。


が、ここからでは読み取れない。
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