リアル彼氏
スマホを取り出すためにバッグを開く。


その時、白いハンカチをわざと落としたのだ。


優しいと噂の貴也なら、これだけで十分だった。


「ハンカチ落としましたよ」


予想通り、貴也はあたしのハンカチを拾ってくれた。


最初はあたしのことが誰だかわからなかったみたいだけれど、すぐにクラスメートだと思いだしてくれた。


ちゃんとあたしのことを覚えていてくれたことで、自然と頬が緩んだ。


その後あたしと貴也はメッセージを交換しあい、その場を離れたのだった。
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