リアル彼氏
もしかして、イラストがすごくリアルとかそういう意味なのかも知れないし。


首をかしげつつも、アプリのダウンロード画面から離れることができなかった。


なぜなら、あたしの中にある考えが浮かんできていたからだ。


このゲームをプレイして、それが本物であるかのようにマリナに話すのはどうだろう?


毎日毎日、嫌になるほどノロケ話を聞かされているのだ。


少しやり返すくらい、きっとみんな許してくれる。


ストーリーにリアリティがあるかどうかは、プレイしてみないとわからない。


試しに広告に出てきているキャラクターのイラストを確認してみると、さすがにイケメン揃いだ。


弟系の可愛いキャラもいれば、大人っぽいお兄さんのキャラもいる。


好きな見た目のキャラがいればやってみてもいいかもしれない。


そう思った時だった。


ひとつのキャラに目を奪われた。


青いサラサラの髪に、シャープな鼻筋、ネコのような奇麗な目をした男の子だ。


「カッコイイ!」


思わず声を漏らしていた。


このキャラはまさしく自分好みだ。


青い髪の男の子なんてそうそういないけれど、それはそれでゲームのいいところだ。


「う~ん、やってみようかな……?」


面白くなければすぐに消せばいいし、もしかしたらマリナにちょっとした復讐もできるかもしれないのだ。


そう考えると、ワクワクしてきた。


「無料だし、ちょっとだけならいいよね?」


あたしはアプリのダウンロードボタンをタップしたのだった。
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