リアル彼氏
もちろん、貴也は納得しなかった。


どうして、なんでと毎日のようにメッセージがくる。


それも全部無視した。


だって、あたしにとって貴也はすでに過去の人だったからだ。


そして2年生に上がったとき、また貴也と同じクラスになった。


少しうんざりしたけれど、弘志も同じクラスだったから一気に気分は浮き上がって行った。


これで弘志と付き合えるチャンスができたのだ。


そして、もちろんそれもうまく行ったのだけど……。


「俺の電話は2コール以内に出ろよ!」


休日、両親が留守だということで弘志の家に遊びに行った。


その時に言われた言葉だった。


あたしは最初弘志が冗談でそんなことを言っているのだと思い、笑顔を浮かべてい

た。


しかし次の瞬間「笑ってんじゃねぇよ!」と怒鳴られ、頬を叩かれていたのだ。


一瞬なにが起こったのはわからなかった。


目の前は真っ白になるし、痛みで思考回路が止まってしまっていた。


ジワジワと自分が叩かれたのだと理解した。


「お前が悪いんだからな!」


弘志は本気でそう言っているようだった。
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