リアル彼氏
あたしは捨てアドレスを作って美弥にオススメアプリとしてメールを送信した。


リアル彼氏の他にいくつか実在するゲームを添付したけれど、それはどれも美弥がダウンロードしているゲームだった。


これはかけだった。


美弥が本当にゲームをするかどうかもわからなかった。


あたしが弘志を離れられるかどうかも、まだわからない。


でも、確実にその日は近づいていた……。


美弥が自慢げにイケメンにハンカチを拾ってもらったと言ってきたのは翌日のことだった。


その瞬間、あたしは心の中でガッツポーズを作った。


恋愛に飢えている美弥が、これほど簡単に引っ掛かってくれるとは思っていなかった。


あたしはなにも気がつかないふりをして、話しを聞いた。


「貴也。美弥の行動を見張ってほしいの」


美弥がゲームを開始してしばらくしてから、あたしは校舎裏に貴也を呼び出した。


「美弥を?」


貴也は怪訝そうな顔をしている。
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