リアル彼氏
「そう。ちゃんとプレイしているかどうか、確認してほしい。キスくらいしてあげてよ」


あたしの言葉に貴也は驚いたように目を丸くしている。


美弥は悲しいくらいあたしの手のひらの上で踊らされている。


1年生の頃からずっとだ。


弘志の手の内に落ちる前に、本当に好きな貴也と夢の時間を見させてあげようと思ったのだ。


「わかった。その変わり、全部うまく行った時は俺とよりを戻してほしい」


貴也の言葉にあたしは笑顔で頷いた。


もちろん、そのくらいのご褒美は必要だと思っていた。


あの弘志を美弥に押し付けることができるなら、お安い御用だ。
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