リアル彼氏
「ごめん。美弥には似合わなかったみたい。あたしが持ってるから、美弥にも似合うと思ったんだけどね? そっちのワンピースでいいと思うよ?」


マリナはそう言うと、あたしが選んでいたワンピースを指差した。


遠まわしに、『あたしには似合うけど、美弥には似合わない』と言われたのだ。


理解した瞬間カッと体が熱くなるのを感じた。


顔まで真っ赤になっているかもしれない。


あたしがこんな服似合わないこと、自分が一番よくわかっていたはずだ。


それなのにマリナに嫌みを言われて傷ついている。


そんな自分が一番嫌だった。


あたしは下唇を噛みしめて、乱暴に試着室のカーテンを閉めたのだった。
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