リアル彼氏
☆☆☆

家に戻るとどっと疲れが押し寄せてきた。


マリナと一緒にいるといつもの倍くらいの疲労を感じてしまう。


なら一緒にいなければいいものだけれど、そうもいかない理由があった。


実は入学してすぐの頃風邪で寝込んでしまったあたしは、マリナ以外の友人を作りそびれてしまったのだ。


ほどほどに仲のいい子はいるものの、外に遊びに出かけるほどの関係じゃない。


マリナがいなければ、更に孤独な高校生活を送ることになるのだ。


だからどれだけマリナの言動に腹が立とうが、ある程度の我慢が必要だった。


特別仲のいい友達がいれば、我慢してマリナと付き合う必要もないのにと、大きくため息を吐きだした。


でも今日はまぁまぁ可愛いワンピースと出会えたし、結果はよかったのかもしれない。


自分では普段絶対に行かないようなお店だったし。


袋から取り出したワンピースをクローゼットにしまうと、あたしはベッドにあおむけに寝転んだ。
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