リアル彼氏
自慢
翌、月曜日。


あたしは早足で教室へと向かった。


一刻も早くマリナに自慢がしたかったのだ。


「あれ、美弥?」


その声に振り向くと弘志君が立っていた。


「あ、おはよう」


「そんなに慌ててなにかあった?」


弘志君は相変わらずなれなれしく肩を叩いてくる。


弘志君には全く興味のないあたしはしかめっ面をした。


「マリナに話したいことがあって」


言いながら周囲を見回す。


弘志君とマリナは一緒に登校してきているかと思ったが、別々みたいだ。


「マリナに何の用事?」


弘志君には関係ないから。


そう言って突っぱねてしまおうと思ったが、ベタベタとくっついてくるので逃げることもできない。


マリナはこの人のどこを好きになったんだろうかと、不思議に感じてしまう。


「急いでるから」


あたしはどうにか弘志君の腕からすり抜けて、教室へ向かったのだった。
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