リアル彼氏
年齢指定のゲームではないのだし。


きっと夜のイベントが発生するんだろう。


そう思っていると画面は一瞬にして暗転し、夜に切り替わった。


このストーリーの早さも魅力のひとつだ。


「これから花火があるんだよ」


遊覧船の中で藍が言う。


そういえば、とあたしは一度スマホのゲームを閉じて検索画面を出した。


地元の花火大会を検索する。


大きな花火は3か所ほどあるが、遊覧船から見える花火はひとつしかない。


「これのことか……」


あたしも一度は好きな人と一緒に行ってみたいと思っていた花火だ。


藍は地元のデートスポットを抜け目なく行っていたようだ。


実際にどこかにいるであろう藍を思い浮かべてため息を吐き出す。


藍は一体どんな人なんだろう。


こんなデートプランを立てれるくらいだから、きっと女子に人気なんだろうな。
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