リアル彼氏
☆☆☆
窓から入ってくる風で気分を落ち着かせ、そのままトイレへ向かおうとしたとき、同じクラスの鴨田貴也(カモダ タカヤ)とすれ違った。
すれ違う瞬間思わず背筋を伸ばして呼吸を止めていた。
心臓がドクドクと跳ねている。
貴也は友人と2人で歩いていて、こちらを気にする様子はない。
それでも緊張してしまうのは、やっぱりまだあたしの心が貴也へ向いているからだと思う。
1年前、振られたのにね……。
苦い思い出がよみがえってきて、慌てて左右に首を振って記憶をかき消した。
背が高くて整った顔立ちをしている貴也は女子生徒からの人気が高い。
元々、自分なんかを相手にしてくれる人ではないのだ。
いや、きっとどんな生徒が告白してもダメだっただろう。
それこそ、マリナくらい美人じゃないと釣り合わない。
自分にそう言い聞かせて気分を取り戻した。
それからトイレで用を済ませ、教室へ戻ろうとした時だった。
「美弥!」
後方から声をかけられて振り向くと、そこには弘志が立っていた。
マリナの彼氏だ。
窓から入ってくる風で気分を落ち着かせ、そのままトイレへ向かおうとしたとき、同じクラスの鴨田貴也(カモダ タカヤ)とすれ違った。
すれ違う瞬間思わず背筋を伸ばして呼吸を止めていた。
心臓がドクドクと跳ねている。
貴也は友人と2人で歩いていて、こちらを気にする様子はない。
それでも緊張してしまうのは、やっぱりまだあたしの心が貴也へ向いているからだと思う。
1年前、振られたのにね……。
苦い思い出がよみがえってきて、慌てて左右に首を振って記憶をかき消した。
背が高くて整った顔立ちをしている貴也は女子生徒からの人気が高い。
元々、自分なんかを相手にしてくれる人ではないのだ。
いや、きっとどんな生徒が告白してもダメだっただろう。
それこそ、マリナくらい美人じゃないと釣り合わない。
自分にそう言い聞かせて気分を取り戻した。
それからトイレで用を済ませ、教室へ戻ろうとした時だった。
「美弥!」
後方から声をかけられて振り向くと、そこには弘志が立っていた。
マリナの彼氏だ。