リアル彼氏
☆☆☆

「好きなの?」


その日の昼休憩時間。


同じ机でお弁当を広げていたマリナが不意に聞いてきた。


あたしは目をパチクリさせてマリナを見返す。


「好きって、何が?」


「貴也のこと」


続けて言われて、思わずせき込んだ。


「な、なにを言い出すの!?」


ハンカチで口元をぬぐい、あたしはマリナを見る。


マリナはニヤニヤとした笑みを浮かべてあたしを見ている。


まるで、獲物を見つけた肉食獣のような表情だ。


このままじゃ捕らえられてすべてしゃべらされてしまう。


そう思ったあたしは咄嗟に立ちあがろうとした。


しかし、マリナがあたしの手を握り締めてそれを止めた。


あたしはしぶしぶ、浮かしかけた腰を椅子へと戻す。


「いいじゃん。協力してあげるよ?」
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