リアル彼氏
そう思い、あたしは勢いをつけてベッドから降りた。


勉強机に向かい、一番下の引き出しを開ける。


貴也に振られてから奥に閉まったままになっていた日記帳を取り出す。


それは高校に入学した当初書いていたものだった。


貴也に振られたことをキッカケにして、封印してしまったけれど……。


懐かしさに目を細めてページをめくる。


最初の方は新しい学校生活に胸を弾ませる内容が多い。


しかし、途中で風邪をひいて休んでしまってから、友人関係への不安が書かれている。


それを解消してくれたのがマリナだった。


マリナと仲良くなってからは、2人でなにをしたとか、どんな会話をしたか、といった内容が書かれている。


あの頃はマリナの自慢な性格も出ていなくて、本当に楽しい毎日を過ごしていたのだ。


それから少しすると、日記の中に貴也のことが書かれるようになった。


体育の授業でバスケをしている貴也が信じられないほどかっこよかったこと。


貴也にはライバルが多そうなこと。


そして、マリナが仲介役になってくれたことなど。
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