リアル彼氏
しかし、結果はダメだったのだ。


この先自分がどうなるか知っているあたしは、一旦日記帳から視線を外した。


そして大きく息を吸い込む。


今日の放課後の時間を思い出し、再び日記帳を読み始めた。


それは1年生の体育祭が終わった後のことだった。


マリナのおかげでちょっとづつ会話をするようになった、あたしと貴也。


「貴也をデートに誘ってみれば?」


体育祭の前日にあたしにそう助言してくれたのは、マリナだった。


「でも、そんなのできないよ……」


異性とデートなんてしたことのないあたしは、自分から相手を誘うなんて考えていないことだった。


「貴也と同じ応援団に入ったのは、なんのためなの?」


マリナにそう聞かれて、黙りこんでしまった。


あたしはマリナに沢山相談をして、貴也と徐々に近づいて行った。


そして体育祭で貴也が応援団に入るとわかったとき、マリナが背中を押してくれたのだ。


応援団はどくとくの仲間意識があるから、急接近のチャンスだよ、と……。


マリナが言っていた通り、応援団は他の種目とは全く違った。
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