副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~
副社長と私の情事の始まり

 
 夜の時間帯のオフィスビルに、救急車のサイレンが鳴り響いてる。
 パトカーも到着して大騒動になっている…。


「はい…このようなメールが届きましたので、待ち合わせで来たのですが…」

 警察官に応対しているのは、とても綺麗な顔立ちの女性。
 170cmはありそうな長身で紺色のスーツがとても似合っている。髪をベリーショートにしていて、スッとシャープな輪郭にぱっちりとした可愛らしい目に、スッと筋の通る高い鼻にプルっとした唇は魅力的。スタイルもよくモデル顔負けである。
 この女性は北里涼花(きたざと・すずか)28歳。1ヵ月前に宗田ホールディングに転職してきて、現在は社長秘書と副社長秘書を兼務している。
 仕事もテキパキこなし、駄がなく評価の高い女性である。


「分かりました。このメールを参考に、写真を撮らせて下さい。防犯カメラも確認できましたので、貴女が関係ない事も証明されました。また何かあれば、ご連絡しますのでご協力お願いします」
「はい…分かりました…」


 警察官がメールを写真に撮った。その姿を涼花は少し複雑そうに見ていた。



 事情徴収が終わった涼花は、ちょっと疲れた顔で歩いて来た。

「良かったね、無事に解放されて」
 
 声がしてハッと足を止めた涼花の前に現れたのは、宗田ホールディングの副社長・宗田宇宙(そうだ・そら)。現在33歳になったばかりで独身。小悪魔の様な切れ長の目が魅力的でクールなタイプのイケメン。推定190cm近くの長身でひと際目立ち、歩くだけで通り行く人が振り向くくらいだ。
 シルバーの高級スーツに身を包み靴も黒いブランド品の革靴に、鞄も高級素材の皮の鞄を持っている。

「それじゃあ行こうか、約束通りに」
 小悪魔の様な笑みを浮かべて手を握って来た宇宙に、涼花は曖昧な笑みを浮かべた。

 そのまま宇宙と涼花は歩き出した。

 本当にこれでいいのだろうか…でも…この人に手に握られるのは悪い気はしないけど…。
 涼花は複雑な気持ちのまま宇宙に着いて行った。
 

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