副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~
「ねぇ、もうどこにも行かないと約束してくれないか? 」
「…一緒にいますが…少し、考えさせて下さい。…色々と、やらなくてはならない事もありますので」
「わかった。だが、もう1人で決めるなよ。何かあれば、俺にちゃんと話せ。いいな? 」
「分かりました…」
まだ曖昧な気持ちのまま、涼花は一緒にいると返事をしてしまった。
宇宙と一緒にいる事は嫌ではない。
だが…
涼花にはまだ成し遂げたいことがあった…。
曖昧なまま一緒に暮らすことを決めた涼花。
その事を秀臣に連絡した。
(へぇーそうなんだ。それはおめでとう)
「いいのですか? 私…」
(いいんじゃない? だって、心から愛してれる人の傍の方が一番幸せじゃないか)
「でも…忘れちゃうし…」
(その事は、僕からちゃんと説明するよ。彼と会わせてもらえる? )
「え? 会うのですか? 」
(当然だろう? 僕は、君の身元引受人だから。それに唯一の身内だよ。ちゃんと顔合わせしておかないと。大切な娘をお嫁に出すのと同じだからね)
「…分かりました。話してみますので、時間決めたらまた連絡します」
(ああ、待っているよ)
秀臣は明るく対応して、快く承諾してくれた。
涼花はちょっと戸惑っていた。