副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~

 2週間後。

 あれから宇宙と涼花は一緒に暮らし始め、ぎこちない部分もあるが順調に進んでいる。

 重体だった重乃は、とりあえず安定してきたようだが寝たきりで動けいなっ状態。
 有香は左半分が複雑骨折で、顔も変形している状態で動けなく寝たきり状態。
 
 重乃の入院費について、空斗の下に病院から連絡が入った。
 重乃はずっと宗田家に居候をしていた。
 両親は蒸発して行くへ不明で、借りていた賃貸は母親名義だったが家賃を滞納して追い出されてしまい、宇宙と結婚する話が舞い込み家が見つかるまで宗田家に住みこませてほしいと泣いて縋った事から情けをかけた空斗が半年という約束で居候をさせていたが、半年を過ぎても出て行かない重乃に「支度金を渡すから、家を出て行ってほしい。住まいがみつからないなら、こちらで探してくる」と話していた。

 その話をすると重乃は荷物を置いたまま、戻らずどこに住んでいるのか不明のままだった。
 仕事には来ていた重乃だが、あえて空斗とは関わらないように避けていた。
 そんな状態で重乃が転落事故で入院して、重乃の預金額は全くない状態でどうするものかと病院から連絡が入ったようだ。

 空斗は少し考えていたが、きっぱり「我が家とは関係ありませんので」と断る事にした。

 そもそも、居候をさせたことが大きな間違えだったことが判明している。
 重乃が居候してきて宇宙は家に帰らなくなってしまった。
 今でもずっと家には帰らないままで、呼び出さないと寄り付かなくなってしまったのだ。




 営業部。
 外へ出て行く営業と事務に残り事務仕事をこなしている社員に別れ、バタバタと忙しい部署。
 郷は外回りと内勤と両方こなしていて、内勤の日で溜まっている事務仕事をしていた。

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