副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~
午後。
副社長室で仕事をしている宇宙。
仕事の量が多いようで、真剣な目をしてパソコンを見ている。
コンコン。
「失礼します」
やって来たのは美也だった。
宇宙は目だけ向けた。
「副社長。お昼はどうしてお弁当食べてくれなかったのですか? 」
はぁ? そんな事を言いに来たのか?
宇宙は黙ったまま目を背けた。
「あのお弁当は、副社長の為に作ってきたお弁当ですよ。いつもは食べてくれるじゃないですか! 」
なにを言っている? 一度も食べたことはないが?
宇宙が黙っていると、美也はデスクに近づいてきた
「副社長。もしかして、照れていたのですか? みんながいるから」
宇宙は小さくため息をついた。
「悪いが、今は仕事中だ。プライベートな話なら、遠慮してもらえないか? 」
「酷いですね副社長。私達、こんなに愛し合っているの…」
なんだ? こいつは…人の話聞いていないのか?
宇宙が呆れていると…
プチッ…プチッ…
美也はブラウスのボタンを自分で引きちぎった。
「副社長…私を抱いて下さい! 」
バッとブラウスを広げて、美也は宇宙に迫って行った。
「わぁ! ちょっとなんだ? 」
宇宙は驚いて立ち上がった。
「抱けますよね? 副社長…何度も私を抱いてくれたじゃないですか? 」
迫って来る美也が怖くて、宇宙はデーターを保存してパソコンを閉じた。
「この前だって一緒にホテルにいてくれたじゃないですか。…。副社長から誘ったんですよ? 」
迫って来る美也を交わして、宇宙は副社長室を出て行った。
「なんだアイツは…頭がおかしいのか? 」
逃げるように副社長室を出てきた宇宙。
だが…
「副社長! 待って下さい。逃げないで下さい! 」
いつの間にか、ブラウスを脱ぎ捨て、上半身は下着だけの姿になり追いかけてきた美也。
「な、なんなんだ? 」
宇宙は恐怖を感じ、社長室へ逃げ込んだ。