副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~
「…いいわよ、協力しても。その代わり、ちゃんと報酬はくれるのね? 」
「ああ、もちろん。君だって、あの2人の事は気に入らないだろう? 」
「もちろん。あの2人は、いつも私の邪魔ばかりしていたもの」
「じゃあ、その方法で消えてもらったら一石二鳥だよね」
フフっと笑いを浮かべた美也は、郷の唇にキスをした。
遠目で見ていた涼花は、会話は聞こえなかったがキスをしている2人を目にしてギョッとした目をした。
そのまま気づかないふりをして、涼花は去って行った。
その後も幾度か、郷と美也が2人で密着している所を目撃した涼花。
他の社員も同じように目撃していて、社内で堂々といちゃいちゃしていると話していた。
午後から会議も終わり、ほっと一息付けたのは15時を過ぎた頃だった。
一息ついて、デスクに座った空斗に優しい味のロイヤルミルクティーを入れてくれた涼花。
「いいねぇ。疲れたときは、甘いものが欲しくなるが。このミルクティーの香りは、とても癒されるよ」
「はい、私もこの香りは好きです」
珍しく素直に答える涼花に、ちょっと驚いた目を向けた空斗。
だが、素直な涼花の表情を見ていると、これが本来の涼花の姿なのではないかと思った。
空斗にロイヤルミルクティーを入れた後、涼花は宇宙にも同じロイヤルミルクティーを持って行った。
「おお、ナイスタイミング。ちょうど甘いものが欲しいって、思っていたんだ」
香りを嗅いで、宇宙は嬉しそうに微笑んだ。
「それでは、失礼します」
「あ、ちょっと待って」
去ってゆこうとした涼花を呼び止めた宇宙は、そのまま歩み寄ってゆき、そっと頬に手を添えた。
「甘いものもいいんだけど。俺のエネルギー補給は…」
そのまま迫ってきた宇宙だが、ふと、涼花の唇についている口紅が目に入った。
デスクの上にあるティッシュを手に取り、そっと涼花の口紅を拭きとった宇宙。
「これで心配なしだな」
そっと涼花の唇にキスをした宇宙。
副社長室でキスしているなんて、ドキドキする…。
でも前のキスよりとっても優しくて…。
スルっと宇宙が入ってきて、涼花の口の中を犯してしまうのが心地いい…。
ゆっくりと唇が離れると、宇宙はニコっと笑った。
「よし、あとひと頑張りできそうだ」
ちょっと照れてしまい、涼花は視線を落とした。