副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~
「ねぇ、社長の秘書じゃなくてさ。俺の専属になったら? 」
「そんなことできません。社長が困ってしまいますから」
「まぁ、そうだな。仕事以外では、俺が独占しているから。仕事の時くらい、社長に譲る事も必要だな」
ニコっと笑った宇宙。
定時時間になり。
定時で帰る涼花の後ろから、美也が歩いて来た。
ツカツカと勢いよく足音を立てて歩いてくる美也は、特に涼花には声をかけることなく、そのまま通り過ぎて行った。
なにやらご機嫌そうな顔をして取りすぎて行った美也を見て、涼花は郷とうまく進展している事から機嫌がいいのかと思った。
相変わらずホステスのような、派手系の格好の美也。
そんな美也の後姿を涼花は見ていた。
時刻は17過ぎ。
宇宙は今日も残業で遅くなると言われた。
帰っても一人。
そう思った涼花はある場所へ向かった。
駅からバスに乗り、15分ほどの場所にある霊園にやって来た涼花。
ここは金奈市でも大きめの霊園。
22時までお参りできて、日が沈むとライトアップしてある。
ボチボチ日が沈んできた事から、ライトアップされ、緑の木々が綺麗に輝いている。
大きめの墓石で立派なお墓が建っている。
北条家の墓と書いてあり、横にある石には亡くなった人の名前が書いてある。
風紀と香の名前も書いてある。
亡くなったのは5年前…。
涼花はそっと手を合わせた。