副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~
定時になり…。
エントラスに郷が降りてくると、美也がいた。
「郷さん」
いつも以上にニコっとした笑顔で、歩み寄って来る美也に、郷は満面の笑みを向けていた。
しかし瞳の奥は笑っていない…。
「郷さん、言う通りにしたわよ。どう? 大成功でしょう? 」
「ああ、そうだね。よくやったね」
「じゃあ、ちゃんとご褒美くれるわよね? 」
「うーんそうだね。じゃあ、何がいい? 」
「決まっているじゃない」
ギュッと郷の腕を組んで、美也は上目遣いで見上げた。
「そっか。とりあえず、行こうか」
腕を組んだまま、郷を美也は歩き出した。
そんな2人見ていた涼花がいた。
「あの人…多重人格? 」
そう呟いた涼花…。
郷の裏の顔を見てしまったようで、呆れた顔をしていた。
その夜。
郷と美也はホテルに行った。
美也が言うご褒美とは…。
「フフッ…。なんだ、郷さんってメガネ外すと、イケメンタイプじゃない」
メガネを外した郷を見て、美也が満面の笑みを浮かべ喜んでいる。
確かにメガネを外すと、郷は可愛いイケメンタイプの顔をしている。
どちらかと言えば女性よりの綺麗系な顔立ちで、目元は切れ長で魅力的。
いつも分厚い眼鏡で隠されているが、素顔はかなりのイケメンである。
「もしかして、メガネってダミーなの? 」
言いながら郷の服を脱がしてゆく美也。
そして。
郷のズボンを下着ごと下げてしまうと、まるでむさぼりつくようにご奉仕を始めた…。
ご奉仕をされている郷は、何も感じない顔をしている。
反応はしているが、表情は全く変わらず冷静なまま。
ちょっと見下した目で美也を見て、冷ややかに笑っているように見える。
「ねぇ…もっと先っちょにしてよ…」
言われてご奉仕しながら美也はニヤッと郷を見た。
激しくご奉仕してくれる美也。
ちょうどのころあいを見て、郷は美也をベッドに押し倒した。