副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~
階段の踊り場で倒れている涼花(風香)を見て、持ってきたゴルフクラブで殴りつけた重乃と有香。
多量の出血を見て笑い飛ばして、3人はその場を去って行った。
このまま涼花(風香)は確実に死ぬと思い込み、大笑いしていた3人。
翌日の休日に、スカッとした気分で車を飛ばして、どこかにパーッと遊びに行こうと話していた美也と重乃と有香。
そんな中。
美也は風紀を見かけた。
風紀の隣には香がいて、とても仲良く笑い合って歩いていた。
そんな風紀を見た美也は、忘れかけていた嫉妬心が蘇り怒りが込みあがってきた…。
青信号で渡っていた風紀と香に向かって、勢いよく車で突っ込んでいった美也。
バーン!
一瞬の出来事のように、風紀と香は跳ね飛ばされ地面にたたきつけられた。
そのまま見向きもしないで、美也は車を走らせ逃走した。
人通りの少ない場所故に、目撃者もいなくそのまま見つからないままだった。
「私を捨てるから悪いのよ」
と、居直った美也。
しかし、逃走すると美也の車を偶然にも見ていた郷がいた。
郷は動画に撮影していたが、これを証言しても警察がしつこく聞いてくるだけで美也を逮捕するに至らないかもしれないと思った郷は忠臣に相談した。
忠臣は秀臣に話をして見ると言って、その話は保留になった。
だが忠臣は、その夜に歩同居の階段から転落して亡くなってしまった。
目撃者の証言では忠臣に着きまとっていた女性がいたと判明したが、その女性は誰なのか不明だった。
忠臣が亡くなって三ヶ月後。
美也は重乃が宇宙の家に住んでいる事を知った。
何も聞かされていなかった美也は逆上する気持ちが込みあがってきたが、しばらく様子を見る事にした。
重乃は住む家がないと言って転がり込んだ様子。
重乃が家に転がり込んできたと同時に、宇宙は家から出ている様子。
とりあえず好きにさせておこう。
宗田家の様子を聞きながら、重乃にはそのうち消えてもらえばいい。
美也はそう思っていた。