副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~
そんな中。
美也が金奈総合病院に通院に来た時だった。
忠臣の事故を目撃した看護師が、歩道橋で忠臣に付きまとていた女性が美也であることを確信した。
他にも病院に来るたびに、美也は忠臣を探して言い寄っているのも目撃されていた。
目撃情報が上がっていても、決定づける証拠がない為、美也を逮捕するには至らず、精神科に通っている事もありあまり刺激が出来ないのもあった。
そのうち有香が離婚して、美也と結託するようになり。
重乃が宗田家に転がり込んだだけではなく、宇宙と再婚したと社内で言っている事実を掴んだことから重乃を殺す計画をたてたのだ。
先ずは重乃をたきつけるため、秘書として入ってきた涼花が宇宙に言い寄っていると言って、一緒に親しげに話している写真やランチをしている写真を重乃に見せた。
写真まで見せられると、重乃は逆上し始めて涼花を呼び出した。
涼花を例の階段に呼び出した重乃。
あの夜。
オフィスフロアで、重乃は有香と美也と一緒に涼花を待っていた。
電話を切った重乃は、ニヤッと笑って有香と美也を見た。
目と目で合図して、階段へ向かった3人。
階段のドアが開く音がして、涼花がやって来たのを確認した重乃は怪しく笑った。
その瞬間。
有香と美也は重乃の背中を押して、階段から突き落とした!
悲鳴を上げる間もなく、重乃は階段から転落した。
ドサッと、階段の踊り場で倒れた重乃。
階段を上ってきた涼花は物音で顔を上げた。
その様子を見ていた有香と美也は、大成功と笑いを浮かべその場を去って行った。
オフィスフロアに戻ってきた有香と美也を、遠目で目撃した郷がいたが、有香と美也はそれに気づかず去って行った。