エチュード〜さよなら、青い鳥〜
第3章 動き出した運命
音楽の世界
「ね、四辻さん。これ、行かない?」
コンクールが終わり、季節はまもなく冬になろうとしていた。
初音はこのところ、四辻が休みの度にコンサートやイベントなどに連れ回している。
今日もホテル 、オフィス、商業施設、ホールなどを擁した大規模複合施設を二人で散策していた。初音がピアノリサイタルのチラシを見つけて、四辻を誘う。
「ショパンの夕べか。いいね」
「当日券あるかな」
四辻が、ホールに確認をしてくれる。
「残念、今日の分は完売だって」
「そっかぁ。残念」
二人はホールに隣接しているオープンカフェに入り、今後のイベントスケジュールをチェックすることにした。