エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「…あれ?ピアノの音がする」
不意に、どこからともなく生のピアノの音が聞こえてきた。
「あ、あそこ」
オープンカフェの奥に、真っ白なピアノが一台置かれていた。自由に弾いて良いピアノのようだ。
高校生くらいだろうか。若い女の子がショパンのエチュード10-3『別れの曲』を弾いていた。
「あぁ、いいな。俺がショパンのエチュードの中で一番好きな曲だ」
うっとりと聴き入る四辻。
その表情を見て初音は、弾いている若い女の子にちょっと嫉妬してしまう。
実は、この『別れの曲』は、初音が最も苦手にしている曲なのだ。甘く美しい旋律を感情豊かに弾くことができない。
甘く切なく。ショパンの美しい音は追求するほどに遠ざかる。
弾き終えた女の子に、四辻は惜しみない拍手をする。女の子は嬉しそうに、はにかみながらピアノから離れた。
不意に、どこからともなく生のピアノの音が聞こえてきた。
「あ、あそこ」
オープンカフェの奥に、真っ白なピアノが一台置かれていた。自由に弾いて良いピアノのようだ。
高校生くらいだろうか。若い女の子がショパンのエチュード10-3『別れの曲』を弾いていた。
「あぁ、いいな。俺がショパンのエチュードの中で一番好きな曲だ」
うっとりと聴き入る四辻。
その表情を見て初音は、弾いている若い女の子にちょっと嫉妬してしまう。
実は、この『別れの曲』は、初音が最も苦手にしている曲なのだ。甘く美しい旋律を感情豊かに弾くことができない。
甘く切なく。ショパンの美しい音は追求するほどに遠ざかる。
弾き終えた女の子に、四辻は惜しみない拍手をする。女の子は嬉しそうに、はにかみながらピアノから離れた。