エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「ぜひ、聴いてほしいなぁ。初音なら、きっと弾きたくなる。
そうだ、うちに来る?」

今夜、なんとか四辻の部屋に行きたいと考えていたのに。
なんだかアッサリと誘われて拍子抜けする。しかも、音楽を聴く為だなんて。

ーーまぁ、いいか。一緒に貴重なレコードを聴くのもきっと、楽しい。
焦らなくても、大丈夫。だってほら、四辻さんの目には私しか映っていない。


「マーシャ・アルジェリーナなら、聴きたいな」
「よし、一緒に聴こう」


二人でマーシャ・アルジェリーナのピアノの話で花を咲かせながら食事を終えると、そのまま、四辻の住むマンションへと向かった。




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