エチュード〜さよなら、青い鳥〜
涼は初音と入籍して、丹下家で暮らし始めた。
初音の為のピアノと防音室があることが1番の理由だ。
婿入りではなく、同居のスタイル。最初は近くに住み、ピアノを弾く時だけ丹下家に行くという案も出たが、ピアノは初音の生活のほぼ全てだ。
自然と涼が丹下家に同居する形になった。
社長夫妻との同居に抵抗がなかったわけではないが、何しろ広い邸宅。
食事を一緒に食べる以外はあまり顔を合わせることもなく、気遣いも最小限でやれていた。
「社長、今朝はアリオンに寄るんでしたよね?」
「そ。親父に呼び出されてさー。8時に迎えが来る」
「じゃあ今日は、そんなにゆっくりできませんよ」
「あ、そっか。いやぁ、涼がいてくれて助かるよ、香川さんを待たせずに済む。じゃ、朝ごはん先に食べるねー」
社長は、マイペースだ。予定を忘れて迎えに来る運転手の香川を待たせることもしばしば。
涼が一緒に住むようになって、真面目な涼が社長のスケジュールも確認するようになり、時間のロスがなくなったと、先日香川に感謝された。
初音の為のピアノと防音室があることが1番の理由だ。
婿入りではなく、同居のスタイル。最初は近くに住み、ピアノを弾く時だけ丹下家に行くという案も出たが、ピアノは初音の生活のほぼ全てだ。
自然と涼が丹下家に同居する形になった。
社長夫妻との同居に抵抗がなかったわけではないが、何しろ広い邸宅。
食事を一緒に食べる以外はあまり顔を合わせることもなく、気遣いも最小限でやれていた。
「社長、今朝はアリオンに寄るんでしたよね?」
「そ。親父に呼び出されてさー。8時に迎えが来る」
「じゃあ今日は、そんなにゆっくりできませんよ」
「あ、そっか。いやぁ、涼がいてくれて助かるよ、香川さんを待たせずに済む。じゃ、朝ごはん先に食べるねー」
社長は、マイペースだ。予定を忘れて迎えに来る運転手の香川を待たせることもしばしば。
涼が一緒に住むようになって、真面目な涼が社長のスケジュールも確認するようになり、時間のロスがなくなったと、先日香川に感謝された。