エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「社長令嬢と結婚だなんて、あのクソ真面目、実はとんでもないやり手だったんだなぁ」

「相手は世間知らずのお嬢様女子大生よ。上手く行くはずないわ」

朝倉には四辻とのことは一切話してない。だが、勘のいい男だ、きっと察していると陽菜は思っている。


朝倉はさりげなく陽菜の隣に座ると、陽菜の青ざめた顔を覗き込んだ。

朝倉は、陽菜が自分と四辻を天秤にかけていたことを知っていた。自分と四辻以外にも付き合っている男がいることも。
それでも陽菜が好きで。なんとかこのまま彼女を完全に自分一人のものにしてしまいたい。ずっとそう思っている。


「いやいや、さすがの陽菜も社長令嬢相手じゃ負けだろ。しかも、秘書課から飛ばされちゃって。何しでかしたんだよ」

「…別に」

たぶん、アリオン・エンタープライズの丹下社長が絡んでる。自分の娘婿をたらしこもうとしていた陽菜に制裁を加えたのだろう。


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