エチュード〜さよなら、青い鳥〜
それが。
営業ニ課に異動してからは、誰にもチヤホヤされない。当たり前のように、雑務に追われる日々。一日中書庫で書類整理に追われ、綺麗に施したメイクも、時間をかけてセットした髪も誰にも見てもらえず終わることもある。
秘書課では、派手すぎず、目立ち過ぎず、品のあるかっちりした私服に身を包んでいたが、ここでは支給された事務服だ。この事務服が、なんとも地味で、陽菜の個性を消してしまう。着ているだけで気分が落ち込む。
ーーここは、私の居場所じゃない。
その思いが日々強くなる。そして、その原因になった丹下社長と四辻に言い知れぬ怒りと恨みも日々強くなる。
ーー社長令嬢と結婚だなんて。出世には興味無さそうにしていて、一気に駆けあがるなんて卑怯者。
私の三股を非難したけれど、自分はどうよ。結局、社長令嬢を選んで私を切り捨てた。天秤にかけたんでしょう?私と何が違うのよ。
悔しい。悔しい。
もう一度、すべて取り戻したい。
秘書の仕事も、ハイスペックな男も。
私に見合う世界を手にしたい。
営業ニ課に異動してからは、誰にもチヤホヤされない。当たり前のように、雑務に追われる日々。一日中書庫で書類整理に追われ、綺麗に施したメイクも、時間をかけてセットした髪も誰にも見てもらえず終わることもある。
秘書課では、派手すぎず、目立ち過ぎず、品のあるかっちりした私服に身を包んでいたが、ここでは支給された事務服だ。この事務服が、なんとも地味で、陽菜の個性を消してしまう。着ているだけで気分が落ち込む。
ーーここは、私の居場所じゃない。
その思いが日々強くなる。そして、その原因になった丹下社長と四辻に言い知れぬ怒りと恨みも日々強くなる。
ーー社長令嬢と結婚だなんて。出世には興味無さそうにしていて、一気に駆けあがるなんて卑怯者。
私の三股を非難したけれど、自分はどうよ。結局、社長令嬢を選んで私を切り捨てた。天秤にかけたんでしょう?私と何が違うのよ。
悔しい。悔しい。
もう一度、すべて取り戻したい。
秘書の仕事も、ハイスペックな男も。
私に見合う世界を手にしたい。